導入事例|DX/AI人材育成サービス【NRI様】
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「カリキュラムも弊社向けにカスタマイズできて、現場でも成果を実感している」

AI/DX時代の到来において、社内のDX/AI人材の育成が注目されています。お客様企業へのDX/AI推進を支援する野村総合研究所様(以下「NRI」)にとって、DX/AI人材の育成は経営戦略のカギとも言える重要な課題でした。


その状況を打開するため、NRI様はNABLAS様株式会社が開発・提供する「iLect」を導入し、社内でDX/AI人材の育成に取り組んでいます。いまや人材育成においてさまざまなサービスが提供されていますが、なぜNRI様は「iLect」を選定したのでしょうか。今回は、「iLect」選定の背景から、人材開発部 DX人材・組織開発グループ グループマネージャー 西村 篤様(※以下敬称略)にDX/AI人材育成における成果などをインタビューしました。

株式会社野村総合研究所 人材開発部 DX人材・組織開発グループ グループマネージャー 西村 篤様
株式会社野村総合研究所 人材開発部 DX人材・組織開発グループ グループマネージャー 西村 篤様

NABLAS株式会社iLectチームLead 川崎竜一
NABLAS株式会社iLectチームLead 川崎竜一


なぜ社内で人材育成に取り組むのか

企業が抱えるさまざまな課題の中で、DX/AI人材の育成に注力した背景についてうかがいました。



──社内でのAI/DX人材の育成はどのような経緯で着手することになったのでしょうか


西村:弊社が掲げる長期経営ビジョン「Vision2022」において、「DX戦略」を1つの成長戦略として掲げているので、DX/AI人材の育成に力を入れています。DXはお客様企業からの引き合いが多い領域です。

具体的にはデータ分析だけでなくアジャイル開発、マイクロサービス/API、デジタルマーケティング、UX、ブロックチェーン、DXビジネス戦略などさまざまなケイパビリティが求められています。こうしたニーズの高まりもあって、アナリティクス領域を中心に育成プログラムの構築を進める中で、NABLAS様と接点を持たせていただくようになりました。


川崎:弊社のAI学習カリキュラムは、元々は代表である中山が、東京大学の研究室で作成したものです。こちらを大学だけではなく、企業にも提供したのが始まりです。こうした活動からNRI様と知り合い、弊社の教育コンテンツである「iLect」をご提供させていただきました。ベースとなった教材は理論を中心とした内容でしたが、法人向けには実務で求められる内容も強化しています。



──DX/AI人材育成のカリキュラムについて教えてください


西村:アナリティクスの領域では、統計などの基礎的な内容を含めて、AI、機械学習、ディープラーニングなどデータサイエンティストに求められるスキル全般を学びます。加えて、お客様企業においてDXの推進に求められる内容も含んでいます。

また、従来弊社の社内教育の内容は、新人研修から始まり、入社年次に応じたスキル要素を学ぶ研修を実施していました。

しかし、DX/AI人材育成においては、年次と関係なく個々人の経験や能力、取り組む業務の状況等に応じて、必要なスキルを学ぶ「+(プラス)DX」という考え方のもとでプログラムを展開しています。

土台となるスキルとして、弊社社員はNRIのDNAとも呼べる顧客理解や事業戦略の実現、苦しい状況でもプロジェクトを完遂する能力などを持ち合わせています。それらのスキルを置き換えるのではなく、DX時代のエッセンスとして追加することが「+DX」の目的であり、現代に必要なものと捉えています。

研修形式も変化しており、コロナ禍以前は教室に集まってワークショップなどに取り組む集合型研修でしたが、現在はほぼすべてオンライン化しています。受講者からは「スキマ時間にオンライン動画で学習できる」「遠方の研修所まで通わなくて済む」などの声があり、好評ですね。



──iLectの強みはどのような点にあるのでしょうか


川崎:基礎理論から実践と応用まで学べる点です。iLectは、エンジニア、プロジェクトマネージャー、経営者など幅広い受講者に対応しています。例えば、エンジニアであれば、開発環境で実際にコードを書いて学べるのが特徴です。一方でプロジェクトマネージャー向けには課題設定や評価指標、ROIなど目標達成に必要な要素を取り入れており、経営者向けにはAI概論やDXがもたらす利益貢献などを幅広く学んでいただけます。

受講内容を柔軟にカスタマイズできるので、NRI様向けには要望をいただいたKerasによる自然言語処理や、画像認識や時系列データ分析などを取り入れています。他のお客様でも業種や業務に合わせてカリキュラムを変更しており、製造業様向けには異常検知などを提供しています。

他社にない強みとして、自社開発した研修環境を提供している点です。GoogleColaboratoryなどの環境構築を1から準備するのは手間がかかり、バージョン管理などでトラブルも起こります。しかし「iLect」ならば、正常に動作する環境をすぐにご利用いただき、スムーズに受講いただけます。




──NABLASはiLectの導入事例を通じて、どのような価値を創出していきたいでしょうか


川崎:元々は大学発の講座だったので、理論に関する内容が中心でした。もちろん理論も重要ですが、企業においては受講した技術を自社業務の改善に活用して利益創出につなげるのがゴールです。そのゴールに向けて貢献できるDX/AI講座を提供したいですね。



──NRI様がiLectを導入した効果はいかがでしょうか


西村:DXに関するプロジェクトはすでに数多く始まっていますが、しっかり実を結んでおり、成果も出ています。カリキュラムも弊社向けにカスタマイズいただき、今後はさらに社内で展開させたいです。



現状の課題と今後の展望


DX/AI人材育成の成果を出した一方で、まだまだ課題も残されており、継続的な取り組みが求められます。このセクションでは、浮かび上がる課題と次なる展望についてお伺いします。



──社内でのDX/AI人材の育成で大変なことはありますでしょうか


西村:研修によって一定レベルは習得できますが、実際の案件で活躍できるレベルまで引き上げるのは容易ではありません。実務におけるOJTが必要ですが、スキルと配属されるプロジェクトのズレがあるため難しいです。 受講生のレベルを引き上げるための1つの手段として、社内で受講者同士のコミュニケーションを活発化させる必要があると考えています。社内のビジネスチャットで相談できるチャンネルを作り、周囲に相談できる人がいない若手や中途社員でも、DX/AI講座の講師や受講者と学べる環境づくりを目指していきます。



──NRI様での育成に貢献する上での展望を教えてください


川崎:NRI様では受講者のレベルが常に上がっております。今後も基礎となる理論から実践的な応用まで、弊社の強みである質の高いカリキュラムをご提供します。



 

【インタビューにご協力いただいた企業様】


【interviewer / writer】

ITスタートアップ社員としてSNSによるAIやデータサイエンスにおける情報発信を行い、業界内で注目を集める。現場目線による辛辣かつ鋭い語り口は、「イキリデータサイエンティスト」と呼ばれて存在感を発揮した。同社退職後は独立し、企業におけるAI・データサイエンス導入活用の支援、人材育成、イベント登壇、執筆活動などを手掛けている。著書に「データ分析の大学」(単著)「これからのデータサイエンスビジネス」「AI・データ分析プロジェクトのすべて」(共著)がある。





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